この写真は帰国後、別パーティーでエントリーしていた方から頂いた。コピーライトはその方にある。Mさんありがとう。
 自分は肉眼でははっきり見ているが、写真には綺麗に撮れていない。












 浮上したら遠くでドーニが座礁していた…。この写真は回収された母船から撮ったものだが、イメージは近い。
 この座礁で他のパーティーが30分ほど漂流。ドーニの引き出し、修理&確認で1日半が潰れている。目的のミーム環礁まで行けなかった。
 座礁とその後の漂流は人為的エラーが原因。流れのある中、ゲスト3人、ガイド1人の計4人が最後にエントリーを開始。潜行途中、ゲスト1人がダイブ・コンピューターを忘れたことに気がつき1人で浮上。ドーニに戻ってダイブ・コンピューターを受け取り、再びエントリーを試みる。が、3人の所在はわからず(当然といえば当然なんだけど)、再々度ドーニに回収される。この時点でドーニは浅いほうにかなり流されていたはず。
 ドーニのクルーはキャプテンに座礁の危険性を示唆するも、未熟なキャプテンは無視。しばらくしてほぼ座礁となる。
 3人がドーニのそばの水面に浮上。ガイドはドーニに回収されたゲストにその場に留まるように指示。このやりとりと水面にいた3人をドーニのクルーは見ていたが、母船、ディンギー(ドーニよりさらに小型のボート)のクルー含め、座礁の対応にかかりきりになる。そして3人は流され漂流となった。

 詳しくは書かないが、船のオーナー側は口先だけの全く誠意が見えない対応で、事態の印象をさらに悪くさせている。新しいドーニ、クルーを用意する気は最初から(事故が起きてから)さらさら無かったため、引き出したドーニが使えたのが唯一の幸運だった。使えなかったら、後の日程のダイビングはもちろんナシになっていただろう。
 帰国後、サファリ代金分は補償となった。

 前出のドーニ座礁や他パーティーの漂流等々、人為的なエラーによる事故があったが、自身も危なかった。ダイブ・サイトや流れはざっと描くと下記になる(地形は深いチャネル)。

 水深約30mで、強烈なダウンカレント気味の流れが生じていた(もちろん吐いたエアがすっ飛んでいく&マスクに水が入ってくる感じの)。皆、ドロップオフにしがみつきつつ延々、横移動となった。あまり真横&真下を見ていてもつまらないので、流れてくる方向も見ていた。
 ある程度すると、周囲には誰もいないことに気がつく。この時点で、一人で浮上しようかと一瞬考える。後ろを振り返ると(流れの先を見ると)暗く、遠くでは渦を巻いていて、こりゃ引き込まれると認識(*)。
 残圧を見ると80だったので、もう少し移動してみようとやや斜め上に移動開始。しのぐには深かったし。>やや斜め上
 グローブをしていない右手でも岩&珊瑚を掴まざるをえなく、ずたずたになるが構ってられず。なるべく岩を掴むようにはしたが…。
 岩も珊瑚もそれなりに高さがあるサイトだったので、たまに体や器材が引っかかって動けなくもなるんですわ。これは死ぬかも、ダイビング中の事故はこうして起きるのか、とまじで思う。
 そうこうしているうちにガイドが出現、他のメンバーも付近にいて合流成功。そのときの水深はうろ覚えだが20mぐらいだったか。単独でいた時間はおそらく10分ぐらい。パニックにならなくて良かった。
 その後はさらに浅いほうに移動(岩を掴みつつは継続)。流れはそれほど派手ではなくなり、わかりやすくもなった。この時点で安全停止はほぼ終了で、皆、手を離しリーフより離脱。
 浮上したら前出の写真のように、遠くでドーニが座礁していた。

(*)
 ロストした時点で手を離し、浮上&安全停止に成功したとしても、たぶんプチ漂流か漂流になっていたと思う。周囲は無人島しかなく、他のクルーズも見かけなかったから。ドーニは座礁してるし…。



 潮が引いたら、斜めになって固定。



 母船からロープで引っ張るが、何度か切れる。この日は結局、動かなかった。