December 19, 2010

西の魔女が死んだ - 梨木香歩


西の魔女が死んだ - 梨木香歩

 blogに落としたい本結構あるんだけど、できてないなぁ...。

 中学に進学して、人との付き合いなどから学校に行くのが嫌になってしまった、まいが主人公。そのまいが初夏の少し前、西の魔女 - 祖母の家でひと月ほど過ごすことになった。祖母は英国から日本に来ており、魔女の血を引くという。自然を享受する祖母との素朴な暮らしの中で、物事や心の在り方を「自分で」全て決めていくという、まいの魔女修行が始まった。
 という物語と、その続編『渡りの一日』が収録されている。
 元々、児童書ということもあり、文章は読みやすい。普段、本を読まない人でも読めるでしょう。
 いい年になると忘れがちになる、自我の芽生えの頃や人の在り方、人との繋がりなどを爽快な文章で表現している作品。あなたは己で律している魂を持つか否か。ぜひ大人に。
 続編では、確かに魔女の教えを受け取ったまいが、社会に戻っている姿が描写されている。

May 20, 2010

世界の島々

世界の島々―かけがえのない風景99島

 最近、買って良かったと思えた写真集。巻頭の世界地図に各々の島の位置、写真には小さく概要が添えられているので、漠然と写真を観るということにはならない。知識欲を満たすことができるし、具体的な経路や土地の空気に思いを馳せることもできる。
 そしてなにより、美しい。人はメディアを通して観た美しい世界を、本や画面の中の出来事と認識してしまう傾向がある。が、実際に行動を起こすと、そういう世界は「本当にある」。
 中身をいくつか。


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 パラオ。ロックアイランドと呼ばれる。珊瑚隆起の島々。島の形状は水面(船)から見ると、波に浸食されキノコ状になっている。


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 ヤップ。同じくダイバーの間ではポピュラー。パラオに近い。通年、マンタが多く出る。


(クリックすると拡大画像を表示します)
 マダガスカル。コーデックスなどの特殊な植物をやる者にとっては、聖地に近いんじゃないか。近年、人口が増えすぎて環境破壊が起きている模様。なにはともあれ、人は増えすぎた。

December 28, 2008

2008年の2枚

 去年の終わり頃に買っているCDも含まれるが、今年、よく聴いていた、かつ名作な2枚を厳選。圧縮された音源かつヘッドホンではなくて、CD経由きちんとしたスピーカーで聴くことをお勧めする。
 今、CDってほんとに売れてないらしいね。素晴らしい曲なら、結局はCDで聴きたい&持っておきたいと思うけどなぁ。逆に言い換えれば、適当な音源&安い小さなヘッドホンで満足できてしまう音楽市場って...。


Ma Fleur / The Cinematic Orchestra(Amazon)
試聴(juno records)

 確かTowerで(Ninja Tuneか...)と思い、とりあえずで試聴したら作品性の高さにぶっとんだという。架空の映画を1枚のアルバムにまとめたというコンセプト通り、ストーリー性があり1枚で完結している。
 室内楽の要素が強いが、Amazonのレビューにあるようにジャンルの壁を完全に越えている。
 日本語版は解説とボーナストラック2曲が追加。



Lifetracks / Tom Middleton(Amazon)

 '90年代にGlobal Communicationというambientでポピュラーなユニットがあった。その片割れ、Tom Middletonが発表したアルバム。
 もはやambientではなく音楽性はより豊かになり、electronica、室内楽、fusion等々を飲み込み吸収している。美しく、が、大げさでないメロディーラインは健在。彼の人間性が滲み出ている。

July 28, 2008

BATTUTA


http://www.zingaro.jp/

 チケットスペースからもうDMが届いていた。詳しくは伏せるが、先行予約だとかなーり早くから受け付けが始まる。
 演目は日本初公演時とは違う「バトゥータ」。遊牧民をテーマとし、音楽はルーマニアの2つの楽団とのこと。
 2005年の「ルンタ」(風の馬)は素晴らしかった。あのときの音楽(?)はチベット僧の読経がメインだった。

 一番高いSS席が20000円、円形舞台に一番近くなるギャロップシート(1~3列目)は多少の砂が飛んでくるので18000円という設定になっている。前回はSSかSで、当たり前だが馬が走ると風と息遣いも走るのが感じられ、すぐに呑まれて、ただ観ているしかなかった。

参考:Zingaro(初公演時に書いた解説)

October 14, 2007

PHOENIX

PHOENIX / SYSTEM7

 知人のるみちさん(a.k.a.手塚るみ子氏)が関わっていて、かつ試聴(MUSIC ROBITA)もできるので落としておく。るみちさんとSYSTEM7の経緯はamazonに詳しく書いてあるので、自身が書かずともそちらを参照。
 SYSTEM7を中心に様々なアーティストが参加している。全曲、techno / 4つ打ち / ゆるゆるの基本をしっかりおさえていて、そしてSYSTEM7ゆえ質がかなり高い。丁寧な仕事というか。広い層に聴けるアルバムでしょう。
 時間とともにこうしていろいろな形に生まれ変わって、再び広まっていくんだなぁ。まさに不死の鳥。

 余談で、手塚治虫氏に関してはWikipediaによくまとまっている。自分も彼は別にヒューマニストではなかったと認識している。世間一般におけるありがちな彼の評価は、ヒューマニストであって欲しい or そうに違いないという希望なのでは。
 下記は引用。
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没後、マンガの神様という呼称が一人歩きし、神格化されるようになった。作品もヒューマニズムの側面ばかり強調されるようになり手塚に対する一面的な美化が行われた。実際には作品の中では非常に多くの思想や信条、感覚、心情を持つ人間が登場する。話の展開も決してヒューマニズムが主体ではなく、人間や社会への絶望感や厭世的な意識、虚無的な要素も濃厚に伺える。人間的にはヒューマニズムの塊のような人物ではなく、もっと人間臭い人、神経質な人だったと言われる。手塚自身、自らがヒューマニストと呼ばれることを極端に嫌っていた。インタビューでは「自分は、そのへんのニヒリスト以上の絶望を持って仕事をしている……はっきりいえばヒューマニストの振りをしていれば儲かるからそうしているだけで、経済的な要請がなければやめる」と強い皮肉を込めて断言している。
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July 30, 2007

Contact to the Spiritsから海

Contact to the Spirits / V.A. mixed by kaito

 ドイツのレーベルKompakt、の国内企画盤。kaito(a.k.a. ワタナベヒロシ氏)によるmixed CD。Kompaktはambientというか音響系というか、そういうのばかり家にあるけど、こういうのもたまにはよろしい。
 聴いたときの第一印象は、これはとらんちゅ or ちゅんとらだ! なぜ幼児語と。プラス、バスドラ打っているけど、うるさい音楽がダメな人もこれは聴けるのでは、と思った。おそらく、ジャンルで陳列するならtechnoになるんだろうけど。
 リンク先で試聴はできる。けれども、圧縮されたRealファイルではなく、無論CDのほうが音質、空気ともに心地良い。
 Kompaktというレーベルの一部を、センス良くまとめている一枚でしょう。

 ところで、海に入るようになってから、うるさい音楽は拍車をかけてダメになったような気がする。外洋に面したドロップ・オフやシー・マウントで、底が見えない碧の真っ只中にぽっかりと浮かんでいるとき。緩く流されているとき。
例:写真はキンベ、パプア・ニューギニア
http://www.moeabletype.org/img2/png/3-20.jpg
http://www.moeabletype.org/img2/png/4-21.jpg
 その種の経験が、うるさい音楽から遠ざかるのをなぜかより手伝った。

 今年の夏休みというか9月は、たぶん手術を受ける。今の状態では、一生ダイビングはできないことが発覚したので。幸い、現代では開胸せず胸腔鏡を使った手術になるので受けるダメージは少なく、3日〜5日間ぐらいで退院できる。
 海には再び入る、絶対に。

余談:
 世間一般では「潜る」と表現されるけど、私的には「浮遊する」のほうがずっと近い。大抵、着底している時間はごくわずかか、全く着底しないで流されているかのどちらか。浮きも沈みもしない、中性浮力という状態を保つから。
 もっとも、いったん入ったらしばらくは出てこれない or 上がってこれないのは事実だけどね。>潜る

April 9, 2007

fenneszと教授の

cendre / fennesz + sakamoto

 fenneszのアルバム2枚は以前、このblogに落としているのでそちらを参照。で、今度のは、そのfenneszと教授の合作(*)。fenneszの音数が少し減って、かわりに教授の緩やかなピアノの即興が入る。よって、耳 or 神経に障る音成分はそれほど含まれていないので、ある程度の大きさの音量で聴ける。そのままの解説ですまん…。
 とまぁfenneszと教授を聴いている人には容易に想像していただける通り、好きな人にとってはすこーんと入れるアルバム。逆にいえば、好き嫌いが分かれそうな気が。自身は好きです。普段、この種の音楽を聴いていない人にとっては、退屈以外の何物でもないでしょう。

 リンク先の教授の解説@amazonにあるように、最初fenneszから音ファイルが来て→教授がそれに合わせてピアノの即興を被せて送り返す、という作り込み方をしたらしい。11曲目、最後の曲だけが教授発。

 しかしレーベルがレーベルで、ある意味、驚いたんだけど。「エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ」ですよ奥さん。時代は変ったんだねぇ…。

(*)
 前にもちらっと出しているが、こちらのほうがずっとお得。