August 20, 2003

どうなの偉い人? この絵

ディルの模倣に抗議殺到!?
 こういうことがあったそうです。彫刻の森美術館賞を受賞までしたそうな。
 描いた人には(あのなぁ…)と思いつつも、自分の中には
(じゃあ人が殺した死体を元に作品にした or してるカメラマン、ルポライター、画家、作家はどうなのよ)
 っていうのもちょっと考えればやっぱりあって、なかなか難しいところです。実際、この世にはそういうのごろごろしてるし。

 作品自体から眺めると、描かれた意図によって救いようのない駄作にもなるし、それこそまともな作品にもなりそうな気が。
 この視点からは、描いた奴が普段から動物虐待、虐殺を趣味にしているような気持ち悪い奴で、楽しんで描いてたらもちろん駄作。ディルこと松原潤がやった行為の病理、また、そういうものを生み出しているこれまた病んでいる社会、それらを形にしているのならまともな作品なんでしょう。
 私には駄作かまともな作品なのかはわかりません。絵、写真はことばより多くの情報を含むこともあるし、逆にわからない場合もある。この場合は題名が少しヒントになるのかな。<「ディルレヴァンガーの虚像と悪戯」
 暗い作品だということは確か。当たり前か。

 なかなか難しいところです←2回目。ストレートなのが悪いかっていうと、巷に溢れる芸術とされる写真、イラストのほうがよっぽどストレートだし…。
 どうでもいいことを考えてしまったような気もしないでもない(笑)。

August 18, 2003

不定期ambientニュース

Avec Laudenum / STARS OF LID
Oceanless / Landing
 最近よく聴いていたCD。2つともambientになると思います。ただし肉体的に踊れるambientではない。揺れるか座禅的ベクトル。
 Avec Laudenumのほうが穏やか。
 Oceanlessは激しいところがある。生音でやっているので、それほど痛くはない。
 評をうまく書けないので、これ以上は止めとこ…。いい大人へ。

August 16, 2003

『花を運ぶ妹』

 作者は池澤夏樹氏。勝手に思うところがあって、他の作品も含めあえて読んでいなかったのだけど、ある人に薦められて読んでみました。
 毎日出版文化賞受賞作品。文庫本でも出ています(文春文庫)。
 以下たいち評。

 インドネシアはバリで、薬物不法所持(へろ)で捕まった兄(画家。依存が生じていました)の独白。その兄を助け出そうと奔走する妹(コーディネーター)の語り。それが各章ごとに続いていきます。
 独白、兄で大江健三郎の『同時代ゲーム』を思い浮かべる人は正しい(*1)。ただ、あれほど純文学(not 私小説)な技巧的複雑さはなく、とても読みやすいです。やりきれないこともかなり書いてあるのですが、上記のように2人の視点で書かれているので、するっ、するっと切り替われるところも逆に読みやすくしています(*2)。

 聖と俗、善と悪、生と死。神話。アジアとヨーロッパの対比。混沌、矛盾にすごくうまく触れています。バリという設定で匂いを伴って書かれています。
 風光、色彩、空気、水。素直に五感(+ 一感)に訴えてくる描写、記述、ストーリーがずば抜けて素晴らしい。
 名作認定。この作品は凛として立っています。

「ぼくは水を潜ったのだ。深い広い水を渡ったのだ。死の恐怖と三年の幽閉、一年の回復期を経てここに来た。そうやってあなたの手を逃れた」
「この戦いが無限に続くことをぼくは願っている」
 本作品より。

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