last updated '06/02/04

 ティランジア(エアープランツ)の無難な育て方。

関連: ティランジア入手 / 育成株
 

銀葉種の普及種、ハリシー

 葉に鱗片(トリコーム)を持ち白く見えるティランジアを、銀葉種と呼ぶ。この種は基本的に光を好み、室内であれば明るい窓辺に置く必要がある。けれども、直射日光は葉焼けを起こすので避ける。薄いレースのカーテン越しが望ましい。屋外でも同様に、ある程度は遮光する必要がある。
 十分な日照が確保できなければ、育成ランプ(ビオルックス - 蛍光灯タイプ、プラントライト - 電球タイプ)などを使って補ってやれば良いだろう。後述する、半日陰を好む種を集めるという手もある。
緑葉種、ストリクタ。半日陰で水を好み、
殖えやすい。
 葉に鱗片がほとんどなく、触った感触も滑らかなものを緑葉種(*)と呼ぶ。この種は森林地帯が原産地で、半日陰の環境で育てる。


(*)
  正確には レイボルディアナのような、観葉植物に近い&完璧に鉢ものを緑葉種と呼びます。
  ここでは便宜上、ストリクタやブッツィー、ブルボーサなども緑葉種とします。半日陰で水を好み、鱗片がほぼ見られないもの。本来であれば↑は銀葉種に分類されるのですが、典型的な銀葉種と性質はかけ離れていて、全く別と考えたほうが失敗はないでしょう。

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吸水中

水を比較的好むのに忘れられ、慌てて
ミスティングを施されるプルノイーサ
  大前提として、ティランジアは乾燥に対しては段々と弱るが、水を与えすぎると途端に腐ってしまう or ばらばらに。初心者によく見られる失敗は、ティランジアは質感が乾燥しているためか、勘違いして風も無いのに頻繁な水やりをして腐らせている場合がほとんどである。よって、過度の水やりは控える。
 自生地では夜間、大量の霧が発生している。ティランジアはその間に水分を吸収し、昼間の乾燥と風に耐えている(緑葉種の自生地はそれほど乾燥しない)。このような水の条件を再現するために、水やりは夜間に行う。昼間だと日に当たり→蒸れて一発で腐るので避けること。
 水やりの方法は二つ。ミスティングとソーキングがある。ミスティングを主にし、ソーキングを補助にしたほうが失敗は少ない。
・ミスティング - 霧吹きでたっぷりめに水をかける。エアコンが常時作動しているような室内環境では(特に冬季)、空気はかなり乾燥しているため、筆者は次の方法で行っている。洗面台にミスティングするティランジアを並べ、たっぷりと霧吹き。1時間ほど放置、かつ暗くしておく(ティランジア周囲はうるうるな環境に)。その後、元の環境に戻す。この方法のほうが水分はより吸収されるようだ。ただミスティングするだけだと、吸収される前に乾燥してしまっている = その分、ソーキングが増える = 失敗も多くなる。
 しかし、イオナンタ・ストリクタなど扱いにくい or 折れやすい葉を持つものは、移動せずにミスティングすることが多い(その分、頻度は増えるが…)。
・ソーキング - 雨の湿気が当たらないかつ日当たりが良い室内環境では、ミスティングしていても乾燥した状態になってくる(葉に力がなくなる or しおれるに近くなる)。この場合、水に漬け込んでしまう。冬季、水温がかなり低いようであれば、10度以上 or 室温と同じ程度の水温にするのが望ましい。時間は3〜4時間。8時間と書いてある場合が多いが、植物への負担と失敗を避けるため、筆者は長時間は漬け込まない。ソーキングして忘れ→丸1日放置なども避けられるだろう(忘れると大抵死ぬようだ)。
 ソーキング後は水を切ること。葉の付け根に水が残った状態で日中を迎えてしまうと、その株は深刻なダメージを受けるか腐る。

 頻度は環境により大きく変わるため一概には言えないが、通常の銀葉種で週2、3回のミスティング+月1回のソーキングになるだろう。また、季節によっても変わり、夏季(蒸れを避けるため&成長はほとんどしないため)と冬季(耐寒性を高めるため&成長はほとんどしないため)は減らす。成長期以外の水やりを控えるのは、園芸の基本中の基本である。嫌がる植物に過度の水を与えても負担になるだけだ。初心者は従うように。でないと必ず失敗する。
  やや水を好む銀葉種や水を好む緑葉種は、上記の頻度より多く与える。e.g. 隔日のミスティング+月2、3回のソーキング

追記:
 ソーキングに触れているが、筆者自身はソーキングをほぼ行っていない。ソーキングをするならばミスティングを施す、もしくはミスティングの回数を増やす。ソーキングをしなければならないという状況自体、植物にとってはかなりの負担になっている。ソーキングはあくまでも禁じ手 or 緊急事態と考えよう。
 当たり前だが、ソーキングが主という環境は、過度の乾燥から(呼吸できない)超湿潤の間を揺れ動いている状態である。植物の成長にとって良いといえるだろうか。
 また、単純に、ソーキングを繰り返していると、見事な銀葉種では鱗片が剥がれ落ちるようだ。


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温度

 室内の場合、冬季はそれほど意識する必要はないだろう。ただし、室内でも物が凍るような厳寒の地域は、ソーキングした株は凍って死ぬかもしれない。屋外の場合、最低気温が10度を切り始めたら室内に取り込むようにする。
 冬季でも10度以上が理想。凍らなければ、成長のスピードは急激に落ちるが越冬はする。一般的に、緑葉種より銀葉種のほうが耐寒性は高い。

 夏季は通風に注意する。締め切った暑い部屋での長時間放置は、確実に蒸れて腐るので避けること。対策としては、
・窓の外(*)によしず等を使い、日光そのものを緩和する(これだけで室内の気温は3度ほど下がるそうだ)
・卓上扇風機 or 園芸用ファンの風を、少し離れたところから当てておく
・光熱費を気にしない人は、冷房を緩めにかけておく
 などが考えられるだろう。
 屋外の場合は葉焼けや極度の乾燥を引き起こすので、強めの遮光を施したり、北側に移動すること。


(*)
 「外」に設置すること。でないと日光を弱めるだけで、室温を下げることにはならない。

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肥料

 肥料なしでも育つ。与える場合は春と秋の成長期を中心に、水で2000倍以上に薄めた液肥(ハイポネックス等)を、ミスティング時やソーキング時に使う。筆者は3000〜4000倍ぐらいにして、成長期(春秋)に月1、2程度使っている。頻繁に与えると、液肥が葉の上で濃縮されていったり、鱗片が肥沃になりコケ等が発生するからだ。コケが発生した銀葉種の見栄えは、かなり悪くなる。
 しかし、繁殖に重きを置くならば、濃度と頻度(2、3週間は空ける)さえ守ればあまり神経質になることはないだろう。

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設置

バーク。樹皮の小片。サイズが数種あるので、
鉢にあったものを選ぶ。
  室内の場合、小さな株は針金で作ったスタンドで吊るしたり皿に置いたり、レイアウトは比較的自由だろう。ただし、ある程度大きくなったり気を使うのであれば、素焼きの鉢にバーク / サボテン用土 / 素焼きのゴロ土などを入れて、その上に置く。そのまま着生させてもいいし、着生させなくとも多少の水分管理をバークや土がしてくれるからだ。ミズゴケは緑葉種に使うと良い。

 屋外の場合、雨ざらしは避けること。水分管理が非常にしづらくなる。乾燥に強い銀葉種であれば、軒下に吊ると直射日光や雨も避けられ手っ取り早いかもしれない(風で飛ばされないようにすること)。

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繁殖

 1〜3年の間に(種、個体によりまちまち)花を咲かせた後、1、2本の子株を生じる(花を咲かせないで生じる場合もあり)。子株は段々と成長し、親株は自然に枯れていくので、積極的な株分けは必要ないだろう。親株が枯れない種もあり、その場合はクランプといって株の塊になっていく。

 花で自家受精をし、綿毛のついた種ができるものも存在する。この場合、種をヘゴ板やコルク板に擦りつけ、朝夕たっぷりと水をやり乾燥させないようにすると、一週間ほどで発芽する(古い種は発芽しない)。最初の1年間、苗はとても弱いため、朝夕の水やりは続け、乾燥を避ける。遮光を強めに、風通しの良い場所で蒸らさないように育てる。
 こうして実生(種から発芽して成長すること)した株の成長は大変遅く、親株と同じように花を咲かせるまで約5年、大型種で約10年とされる。親株から栄養を貰って育つ訳ではないので、それだけ時間がかかるのだろう。

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